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近永駅周辺賑わいプロジェクトとは、商工施策という角度だけではなく、鬼北町で「駅周辺まちなか」といわれる場所が一つもなくなることが、町の形成にとって、どれだけ寂しいものかを想像し、町全体の問題としてとらえ、かつ、北宇和高校の魅力化・予土線の維持存続という地域課題を複合的に解決するための事業として位置付けております。
ご案内の通り、近隣の津島高校・三間高校はすでに分校化され、職員・生徒が大幅に減少しています。北宇和高校も定員割れが続いておりまして、安心している状況ではないと危惧しております。
以前は、県立高校への支援に、町の税金を投入するべきではない…という考え方もございましたが、北宇和高校の存在自体は、人口1万人を割った鬼北町にとって、町づくりの大きな柱となるべきものであると考えています。
また、生徒の中には、予土線を利用する者が40%を占めることから、高校の分校化は、予土線の利用者を、ますます減少させることにもなりかねません。
先日の新聞にも掲載されました「鬼列車」も、そのような予土線をPRするという目的を持ちながらも、側面には北宇和高校存続・鬼のまちづくりの推進・鬼北町の情報発信など複合的な効果を狙ったものであります。
逆に北宇和高校の存続は、予土線の維持存続に直結しなくてはならないものだと危惧しております。
県立三崎高校のように、募集定員近くまで回復させる努力は、全国の市町村を巻き込み、「活気あるまちづくり」の一つの柱となっております。全国公募に踏み切った高校は、全国ですでに70校を超えております。
このような状況からも、このプロジェクトの実施は、10年後、20年後を見据えて、今の時代にしなければならない事業の一つだと考えております。
JR近永駅の改修についても、単にJRの駅の耐震改修ということではなく、わが町のまちづくりにおける複合的な課題解決を念頭に町も取り組む考えです。様々な方々のご理解をいただきますようお願い申し上げます。
鬼北町長 兵頭 誠亀