○鬼北町成年後見制度利用支援事業実施要綱
令和5年3月28日
訓令第8号
鬼北町成年後見制度利用支援事業実施要綱(平成22年鬼北町訓令第19号)の全部を改正する。
(目的)
第1条 この訓令は、民法(明治29年法律第89号)に規定する成年後見制度について、精神上の障がいにより事理を弁識する能力が低下している高齢者、知的障がい者及び精神障がい者(以下「要支援者」という。)の利用を支援する成年後見制度利用支援事業(以下「事業」という。)の実施に関して必要な事項を定め、要支援者の福祉を図ることを目的とする。
(定義)
第2条 この訓令において「町長による審判請求」とは、老人福祉法(昭和38年法律第133号)第32条、知的障害者福祉法(昭和35年法律第37号)第28条又は精神保健及び精神障害者福祉に関する法律(昭和25年法律第123号)第51条の11の2の規定に基づき、町長が後見、保佐又は補助開始の審判の請求を行うことをいう。
2 この訓令において「成年後見人等」とは、成年後見人、保佐人又は補助人をいう。
3 この訓令において「成年被後見人等」とは、成年被後見人、被保佐人又は被補助人をいう。
4 この訓令において「報酬」とは、家庭裁判所が家事事件手続法(平成23年法律第52号)別表第1第13項、第31項又は第50項の規定により決定した報酬をいう。
5 この要綱において「審判費用」とは、町長による審判請求に係る費用をいう。
6 この要綱において「預貯金等の額」とは、預貯金、現金、有価証券等、現金化できる資産(日常生活を営む上で必要な資産を除く。)及び負債の合計額をいう。
7 この訓令において「住所地特例対象者」とは、介護保険法(平成9年法律第123号)第13条に規定する住所地特例対象施設に入所中の本町の被保険者、障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律(平成17年法律第123号)第19条第3項に規定する特定施設に入所中の本町の支給決定者、生活保護法(昭和25年法律第144号)第19条第3項の規定により、施設に被保護者を入所させ、若しくは養護又は介護扶助を委託して行う場合について、本町が保護を実施する者をいう。
(事業の内容)
第3条 この要綱による事業の内容は、次に掲げるものとする。
(1) 町長による審判請求
(2) 家事事件手続法の規定による審判前の保全処分の請求
(3) 第1号の規定による町長による審判請求によって家庭裁判所から選任された成年後見人等に係る報酬の全部又は一部の助成
(4) 町長以外の者による審判請求によって家庭裁判所から選任された成年後見人等に係る報酬の全部又は一部の助成
(1) 町内に住所を有する者(ただし、他市町村の住所地特例対象者を除く。)
(2) 町外の市町村に住所を有する者のうち、当町の住所地特例対象者に該当する者。
(3) 前2号の規定にかかわらず、町長が必要と認めた者
(町長による審判請求の考察事項)
第5条 町長は、町長による審判請求を行うに当たっては、要支援者に関し、次の各号に掲げる事項を総合的に考察して行うものとする。
(1) 要支援者の事理を弁識する能力の程度
(2) 要支援者の配偶者及び二親等以内の親族の存否
(3) 配偶者及び二親等以内の親族による要支援者保護の可能性
(4) 要支援者又は配偶者及び四親等以内の親族による審判請求が行われる可能性
(5) 町長による審判請求以外の支援策の有無
(6) 町長による審判請求により見込まれる効果
(町長による審判請求の手続)
第6条 審判請求に係る申立書、添付書類、予納すべき費用等の手続は、要支援者に係る審判を管轄する家庭裁判所の定めるところによる。
(町長申立てに係る費用負担)
第7条 町長は、家事事件手続法第28条第1項の規定により、後見開始等の審判申立てに要する費用(以下「申立費用」という。)を負担するものとする。
(申立費用の求償)
第8条 町長は、前条の規定により負担した申立費用について、被後見人等への求償権を得るため、家事事件手続法第28条第2項の規定による手続費用の負担命令に関する申立てを家庭裁判所に対して行うものとする。
(1) 生活保護法(昭和25年法律第144号)第6条第1項に規定する被保護者
(2) 次に掲げる要件の全てに該当する者
ア 被後見人等及び被後見人等と生計を一にする世帯員全員が町民税非課税であること。
イ 被後見人等が有する預貯金、現金及び有価証券等の合計額(以下「預貯金等の額」という。)が、審判申立費用に30万円を加えた額を下回ること。
ウ 被後見人等が居住する家屋その他日常に必要な資産以外に活用できる資産がないこと。
(3) その他申立費用を負担することが困難であると町長が認める者
(審判前の保全処分)
第9条 町長は、町長による審判請求を行う場合において、要支援者の財産の保全のため、特に必要があると認められるときは、家庭裁判所に対し家事事件手続法第126条第1項、第134条第1項又は第143条第1項の規定に基づく審判前の保全処分を求めるものとする。
2 町長は、前項の規定による審判前の保全処分の請求を行う場合において、財産管理人について成年後見人等と同等の権限に基づく支援が必要であると認められるときは、家庭裁判所に対し家事事件手続法第126条第2項、第134条第2項又は第143条第2項の規定に基づく命令を行うよう請求するものとする。
(1) 生活保護受給者
(2) 次に掲げる要件の全てに該当する者
ア 被後見人等及び被後見人等と生計を一にする世帯全員が町民税非課税であること。
イ 被後見人等が有する預貯金等の額から家庭裁判所が決定した報酬額に30万円を加えた額を下回ること。
ウ 被後見人等が居住する家屋その他日常に必要な資産以外に活用できる資産がないこと。
(3) その他報酬額を負担することが困難であると町長が認める者
3 民法第725条に規定する親族が成年後見人等に就任している場合は、報酬助成は行わないものとする。
(助成の申請等)
第11条 成年後見人等に対する報酬の助成を申請できる者(以下「申請者」という。)は、報酬助成の対象となる成年被後見人等又はその成年後見人等とする。
2 前項の規定による申請は、報酬付与の審判の日の翌日から2か月以内に行わなければならない。ただし、特別の事情がある場合はこの限りでない。
3 申請者は、報酬助成を受けようとするときは、報酬助成申請書(様式第2号)により、町長に申請しなければならない。
4 前項の申請書には、次に掲げる書類を添付するものとする。
(1) 成年被後見人等の資産等の状況に関する書類
(2) 報酬付与の審判決定書の写し
(3) 活動記録報告書
(4) その他町長が必要と認める書類
5 保佐人又は補助人は、前項に掲げる書類に加え、助成の申請の日からおおむね3か月前以内の登記事項証明書の写しを添付するものとする。ただし、保佐人又は補助人から、保佐又は補助の代理行為について、審判確定以降変更がないことの届出があった場合はこの限りでない。
2 報酬助成の額は、月を単位として算出するものとし、報酬額の範囲内とする。ただし、次の各号に掲げる額を上限とする。
(1) 居宅の場合 月額28,000円
(2) 施設入所の場合 月額18,000円
3 前項に規定する助成額の上限の算定に当たり、助成対象期間の始期又は終期が月の中途である場合は、当該月は日割り計算(1円未満の端数は切り捨てる。)により算出するものとし、助成対象期間に、居宅と施設入所等の期間が混在するときは、居宅の基準月額を適用するものとする。
4 対象者が交付申請の前に死亡した場合の助成額は、家庭裁判所が決定した報酬額から対象者の遺留財産(残余の遺留金をいう。)を差し引いてもなお不足する金額とする。ただし、前各項により算出した額を上限とする。
(助成金の返還)
第14条 町長は、申請者が虚偽又は不正の手段により助成金の交付を受けたときは、交付した助成金の全部又は一部を返還させることができる。
(実施体制)
第15条 支援事業の実施に当たっては、認知症等の高齢者については保健介護課地域包括支援センター係が、知的障がい者及び精神障がい者については町民生活課福祉係が、それぞれ必要な事務を行うものとする。
(補則)
第16条 この訓令に定めるもののほか、必要な事項については、町長が別に定める。
附則
この訓令は、令和5年4月1日から施行する。