○鬼北町四万十川流域の河川をきれいにする条例

平成17年1月1日

条例第141号

(目的)

第1条 この条例は、鬼北地域が日本最後の清流といわれている四万十川の支流である広見川、奈良川、三間川、目黒川、家地川、日向谷川等(以下「ふるさとの河川」という。)の河川環境の保全に共通の認識を持って、ふるさとの河川の環境保全及び振興に関する方策を定め、水環境、景観、生態系等の保全を基礎とした生活、文化及び歴史の豊かさの確保並びに持続的な発展を目指した振興を図り、もってふるさとの河川の恵みを後世に引き継ぐことを目的とする。

(定義)

第2条 この条例において、次に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。

(1) 鬼北地域 鬼北町、三間町及び松野町をいう。

(2) 流域の市町村 ふるさとの河川の集水地域に存する市町村のうち、鬼北地域以外のものをいう。

(共通認識)

第3条 町は、次に定めるところにより鬼北地域相互の共通認識(以下「共通認識」という。)として、施策を推進するものとする。

(1) 水環境、景観及び生態系を将来にわたって適切に維持するものとする。

(2) すべての生き物の生態が相互につながり、生活、産業その他の人の活動も自然の循環の中で営まれていることを十分理解し、尊重するものとする。

(3) 人の活動が自然に負荷を与えていることを認識し、人と自然との共生を図るものとする。

(4) ふるさとの河川の環境保全及び振興に関し、地域の実情に応じた取組を進めるものとする。

(5) ふるさとの河川の環境保全及び振興に関し、町民その他関係者の積極的な参加が促進されるよう、必要な情報を提供するものとする。

(町の役割)

第4条 町は、第1条の目的を達成するため、共通認識にのっとり、他の鬼北地域、愛媛県(以下「県」という。)及び国と相互に連携し、及び協力して、次に掲げる事項が実現されるよう、ふるさとの河川の環境保全及び振興に関し、自然的条件及び社会的条件に応じた方策を策定し、これを実施するものとする。

(1) ふるさとの河川の水量が豊かで、かつ、清流が保たれているものとする。

(2) ふるさとの河川に天然の水生動植物が豊富に生息し、又は生育しているものとする。

(3) 人工林が適正に管理され、天然林とともに多様な森林が形成されているものとする。

(4) 優れた農山村景観を有しているものとする。

(5) 人と川とのかかわりの文化が保たれているものとする。

(6) 町民の安全かつ快適な生活が保たれているものとする。

(7) ふるさとの河川が子供たちの遊びの場として活用されているものとする。

(8) ふるさとの河川に負荷を生じさせることなく、地域社会が持続的に発展しているものとする。

2 町は、ふるさとの河川の環境保全及び振興に関する知識の普及並びに河川愛護精神の高揚に努めるものとする。

(町民の役割)

第5条 町民は、前条第1項各号に掲げる事項が達成されるよう、町が実施するふるさとの河川の環境保全及び振興に関する方策に協力するとともに、自らも次に掲げる事項の実施に努めるものとする。

(1) 町民は、生活排水を河川その他公共の用に供される水路に排出しようとするときは、浄化装置等を設置し、かつ、当該浄化装置等を適正に利用するとともに、家庭でできる生活排水の浄化対策に努めるものとする。

(2) 町民は、ふるさとの河川の美化に心掛けるものとする。

(事業者の役割)

第6条 事業者は、第4条第1項各号に掲げる事項が達成されるよう、町が実施するふるさとの河川の環境保全及び振興に関する方策に協力するとともに、自らも次に掲げる事項の実施に努めるものとする。

(1) 事業者は、その事業活動に伴って生じた廃棄物及び事業排水を適正に処理し、ふるさとの河川の水質浄化に努めるものとする。

(2) 事業者は、ふるさとの河川の美化に心掛けるものとする。

(河川愛護活動に対する支援等)

第7条 町長は、町民又は事業者が行うふるさとの河川の河川愛護活動に対して、必要な支援を行うものとする。

2 町長は、ふるさとの河川の環境保全及び振興のために活動する団体に対し、予算の範囲内において助成金を交付することができる。

3 町長は、町民及び事業者が行うふるさとの河川の環境保全及び振興に関する活動について、必要な助言又は指導を行うものとする。

(基本方策)

第8条 町は、鬼北地域が相互に協力して第4条第1項各号に掲げる事項を実現するため、次に定めるところにより基本方策を実施するほか、その他の方策との有機的な連携を図りつつ、ふるさとの河川の環境保全及び振興方策を総合的に推進するものとする。

(1) この条例に基づく方策の効果的な推進を図るため、鬼北地域相互間における連絡調整を行うものとし、このために必要な組織を構成するものとする。

(2) この条例に基づく方策の成果を把握するための指標を定めるため、鬼北地域が相互に連絡調整を図るとともに、一定の期間ごとにその達成度を調査し、及び分析し、方策の必要な改善及び実施に努めるものとする。

(3) 町が実施する事業において、計画、実施及び管理までの各段階ごとに水環境、景観及び生態系等の保全を適切に行うため、次に掲げる事項で構成する環境配慮指針(以下「指針」という。)を定めるものとする。

 指針の適用範囲及び対象とする事業(以下「対象事業」という。)

 すべての対象事業に適用する共通配慮事項

 又はに掲げるもののほか、指針に関し、町長が必要と認める事項

(生活排水対策)

第9条 町は、生活排水によるふるさとの河川(公共の用に供される水域及びこれに接続する公共溝きょ、かんがい用水路その他公共の用に供される水路を含む。以下次条第11条及び第13条から第22条までにおいて同じ。)への負荷を軽減するため、次に掲げる措置を講ずるよう努めるものとする。

(1) 公共下水道、農業集落排水処理施設その他生活排水浄化施設の整備

(2) 公共下水道及び農業集落排水処理施設からの排出水について、鬼北地域共通の水質基準の設定

(3) 生活排水浄化施設の整備を促進するための情報提供等

(4) 調理くず及び廃食油の適正な処理、洗剤の適正な使用等

(産業活動に伴う負荷対策)

第10条 町は、産業活動によるふるさとの河川への負荷を軽減するため、次に掲げる措置を講ずるよう努めるものとする。

(1) 土壌汚染、濁水及び悪臭を伴う排出水の流出防止

(2) 環境保全型農業の促進

(3) 家畜のふん尿の処理施設の設置、土壌還元その他の方法による適正処理の促進

(4) 適正な森林管理の促進

(野外活動対策)

第11条 町長は、野外活動等によるごみの散乱及び水質の汚染の防止並びに町民の良好な生活環境の保全を図るため、キャンプ場を指定することができるものとする。

2 町は、前項の規定により指定したキャンプ場の給水施設、排水施設その他の施設の整備に努めるものとする。

3 町は、公共の場所において野外活動を行う者が、ふるさとの河川に調理くず、油、洗剤その他ふるさとの河川の水質又は景観に支障を生ずるおそれのあるものを排出しないよう、必要な方策を講ずるよう努めるものとする。

4 町は、ふるさとの河川の川原にみだりに車両が進入することのないよう、必要な方策を講ずるよう努めるものとする。

(水質保全目標)

第12条 町長は、ふるさとの河川の水質を保全する上で維持することが望ましい基準として、河川を指定し、当該河川の水質保全目標を定めることができるものとする。

2 町長は、前項の規定により河川を指定し、河川の水質保全目標を定めた場合には、速やかにその内容を告示しなければならないものとする。

(投棄の禁止)

第13条 何人もみだりに廃棄物を河川に捨ててはならない。

(景観の保全)

第14条 町は、町民、事業者又は旅行者の行為によって、自然景観の保全上支障が生じないよう、物の集積又は貯蔵、自動販売機及び照明設備の設置、騒音防止への配慮その他の行為が適正に行われるために、必要な方策を講ずるよう努めるものとする。

2 町は、農用地、森林その他の土地の適正な管理に基づき農林業生産が維持され、はぐくまれてきた文化景観の保全上支障が生じないよう、耕作放棄地の発生防止又は森林整備に関する必要な方策を講ずるよう努めるものとする。

3 町は、町民、事業者及び旅行者が公共の場所において、飲食料の容器、たばこの吸殻その他のごみなどをみだりに捨て、散乱させ、又は放置しないよう、必要な方策を講ずるよう努めるものとする。

(生態系の保全)

第15条 町は、ふるさとの河川にふさわしい生態系を保全するため、必要な方策を講ずるよう努めるものとする。

(文化の継承)

第16条 町は、ふるさとの河川を軸に営まれてきた人と川とのかかわりの文化を継承するため、必要な方策を講ずるよう努めるものとする。

(住民の育成)

第17条 町は、ふるさとの河川の環境保全及び振興に取り組む町民を育成するため、必要な方策を講ずるよう努めるものとする。

(ふるさとの河川環境推進員)

第18条 町長は、人と川とのかかわりに関する事項を推進し、ふるさとの河川の環境保全及び振興に資するため、ふるさとの河川環境推進員を置くことができるものとする。

(環境教育)

第19条 町は、ふるさとの河川とのふれあい等による環境教育の推進のため、必要な方策を講ずるよう努めるものとする。

(水質の公表)

第20条 町長は、ふるさとの河川の水質の状況について定期的に測定し、その結果を毎年公表するものとする。

(情報提供)

第21条 町長は、他の鬼北地域と相互に連携し、関係団体及び町民がふるさとの河川の環境保全及び振興に関する課題の解決に自主的に取り組むために必要な情報を適切に提供するものとする。

(振興)

第22条 町は、ふるさとの河川に負荷を与えないための振興を図るものとし、かつ、他の鬼北地域と相互に連携した振興策を推進するため、必要な措置を講ずるよう努めるものとする。

(関係行政機関等との連携等)

第23条 町は、ふるさとの河川の環境保全及び振興に関する方策の推進について、他の鬼北地域及び流域の市町村と連携を図り、必要に応じ、県及び国に対して協力を要請するものとする。

2 町は、四万十川の保全及び振興方策を推進する高知県の市町村と緊密な連携を保持し、相互の目的達成のための情報交換等を図り、ともに四万十川流域の発展に努めるものとする。

(財政措置)

第24条 町は、この条例の目的を達成するため、ふるさとの河川の環境保全及び振興に関する取組を恒常的に実施するための財源の安定的な確保に努めるものとする。

(報告及び調査)

第25条 町長は、河川環境の保全、水質浄化その他この条例の目的を達成するために必要な限度において、関係者の協力を得て、必要な事項について報告を求め、又は職員に調査をさせることができるものとする。

2 前項の規定により調査を行う職員は、その身分を示す証明書を携帯し、関係者の請求があったときは、これを提示しなければならないものとする。

(委任)

第26条 この条例の施行に関し必要な事項は、町長が別に定める。

附 則

この条例は、平成17年1月1日から施行する。

鬼北町四万十川流域の河川をきれいにする条例

平成17年1月1日 条例第141号

(平成17年1月1日施行)